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山田詠美の小説は官能的な心理描写や身体器官の描写が本当に秀逸です。快楽に肯定的に生きるエネルギッシュな人を描くポンちゃんの作品を紹介しています。
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チューイングガム (幻冬舎文庫) |山田 詠美

チューイングガム (幻冬舎文庫)
山田 詠美
幻冬舎 刊
発売日 1997-06
オススメ度:★★★★




甘い。甘い。甘い。恋の仕方 2006-05-31
山田詠美さんが結婚後、新婚ほやほやの状態で書いた本。

であるのは間違いなく、その時の感情の揺れ幅、匂いが伝わってくる。



「山田詠美」の本。


というと、若干トーンに違和感があるのだけれど、

これはこれで良いのでは?と思ってしまう後読感。


結婚とはこうあるものだ。

なんてことは言える人間ではないのだけれど、

こうあったらいいな。なんていう理想がこの本なのかも。


それだけ、バカらしく自己本位な

甘い。甘い。甘い。恋の話。恋の仕方。


浸りたい方は是非!

思いやる心 2003-03-06
この本は、結婚をした人、今恋愛中の人はもちろん
「良い恋愛をしたい」と想ってる人も是非読んで欲しいです。
相手を思いやる気持ち、究極の愛が描かれいて何度でも読めます。
メールを交換しあうように、ココとルーファスのお互いの立場での
パート毎に視線、思いが書かれ物語が進んで行くので
男性でも女性でも物語の主人公2人に感情移入できると思います。

とても幸福でとてもあたりまえな結婚。 2003-01-21
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魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)

文藝春秋 刊
発売日 2004-12
オススメ度:★★★★




強烈である 2009-11-18
本の目次のページで

開高健、武田泰淳、安岡章太郎、堀田善衛、

戦後派の近代文学者の名前がある。


どれもこれも強烈である。


一番書きたい事は書かないものです。

書かずに読者に感じさすのです。


以前ある編集者にこの言葉を聞かされたが、

ここに掲載されている小説は皆、これである。


芸術とは、分野を超えて、

こうでなければならない、と、

見せつけられているようである。




明治〜昭和初期の匂いが色濃く立ち上がる16編 2009-08-10
 宮本輝氏が厳選した日本文学短編秀作選。明治〜昭和にかけてのそうそうたる名作家たちの短編が16編収められている。

 様々な特色ある作品が読めるので、ある意味お得な1冊。明治〜昭和初期の匂いが色濃く立ち上がる作品ばかり。

 ひとつ選ぶとすれば川端康成の『片腕』。奇怪で妖艶な雰囲気に圧倒される短編だ。

「同人(ブログ)作家」必読の書。あなたは魂がふるえるか? 2009-05-09
1 玉、砕ける   開高 健

  * 「玉」とは、垢すりでできた垢の玉。


2 太市      水上 勉

  * 学校に来られなくなった太市は家で女郎蜘蛛を飼っていた。


3 不意の出来事  吉行淳之介

  * 密通がヤクザの情夫にバレて強請られるが……、とんちんかんな顛末。


4 片腕      川端康成

  * 女が自分の片腕をはずして男に与える。村上春樹の世界だなこりゃ。


5 蜜柑      永井龍男

  * 別れ話をした帰り道、オート三輪車が横転して道路に蜜柑が散乱していた。


6 鶴のいた庭   堀田善衛

  * かつて栄華を誇った廻船問屋が、屋敷の庭でつがいの鶴を飼っていた。


7 サアカスの馬  安岡章太郎

  * 老いぼれ役立たずと思っていた馬が、サーカスの花形だと知ったときの驚き。


8 人妻      井上 靖

  * 自分の子に接する別人のような人妻の横顔を見て、若者からツキ物がおちる。


9 もの喰う女   武田泰淳

  * ムシャムシャという感じではなくて、いつのまにかスーッと消えてしまった風。


10 虫のいろいろ  尾崎一雄

  * 瓶の中に蜘蛛を閉じこめて半年。センをとった時、間髪を容れず、脱出した。


11 幻談      幸田露伴

  * 舟で魚釣りに出て、浮き沈みする釣竿を引き上げると死体が竿を握っていて離さない。


12 ひかげの花   永井荷風

  三十代の初めに再読したとき、最後の、塚山に届いたおたみからの手紙で、あの時代に娼婦として生きる女の考え方や、世の処し方に、なんだか呆気なく突き放された気持ちになり、この小説の凄さを知った。(「あとがきにかえて」)


13 有難う     川端康成

  * 定期乗合自動車の運転手が避けてくれた大八車など皆に「有難う」と言い続ける。


14 忘れ得ぬ人々  國木田独歩

  * 磯を漁つてゐる男、馬子唄をうたう壮漢、琵琶僧らを情景豊かに思い出す。


15 わかれ道    樋口一葉

  * 誰からも慕われる仕事屋のお京が、妾となって長屋を出て行くのを止める男。


16 外科室     泉 鏡花

  * 手術を受ける伯爵夫人が、うわごとを聞かれたくないから麻酔なしでやれという。


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24・7 (幻冬舎文庫) |山田 詠美

24・7 (幻冬舎文庫)24・7 (幻冬舎文庫)
山田 詠美
幻冬舎 刊
発売日 1997-04
オススメ度:★★★★




「恋」と表現するのに違和感があるほど、濃密な物語 2009-08-09
オトナの恋を描いた短編集。


「恋」と表現するのに違和感があるほど、濃密な物語が描かれています。


まぁ、結局は情欲に溺れるオトナたちが描かれているわけですが、その中でつぶやく言葉には、不思議と重みがあって、なるほどと思ってしまうこともあります。


まだまだ、オトナじゃないってことかなぁ。


ちなみに一番びっくりしたのは、筆者の美人っぷりでした。(笑)

恋をしたくなる1冊 2006-12-27
最近、恋をしていないなぁ、という人。

大好きで大好きで仕方のない人がいる、という人。


どちらにもお薦めの1冊。



筆者の日本語を操る力と語彙力に脱帽!


こんなに綺麗に心模様を表現できるなんて。

しかも、粋。


ちょっと前に出版されているけれど、

まだまだカッコよさが感じ取れる。


きっと読み終えた後に、素敵な恋をしたくなっている事だと思いますよ!

9つの愛の形 2003-04-16
 日本人の女の子と黒人の男の子、もしくはアジアンの男の子たちの、おしゃれで、どこか切ない9編のショートラブストーリー。タイトルになっている「24・7」は、日本に住む日本人カップルの話で、その内容も9編の中では異彩を放っており印象深い。太ってしまった奥さんを持つ男性の複雑な気持ちをうまく描き出していると思った。
 一般に短編のラブストーリーというと、物語が途中で無理矢理ぶち切られてしまっているような、何か足りない印象を受けるものが多い。しかし、この中に納められているものをはじめとする山田詠美の短編は、短い枠の中できっちりと格好良くきれいに納まっているため読後感がいい。後に切なさや余韻を残しながらも、物語の中の彼女や彼は今ごろまた違った素敵な時を過ごしているのだろうと想像させる何かがある。小さな時間が空いた時にこの本を手にとって、彼女の世界に一瞬浸り、トリップしてみるのもいいのではないだろうか。


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蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫) |山田 詠美

蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)
山田 詠美
新潮社 刊
発売日 1997-02
オススメ度:★★★★




ぞくぞく感 2008-08-13
いづれの話しも年齢よりもかなり大人びた感性をもつ少女の心のなかを垣間見るような感じがして、読んでいてぞくぞくした。うれしいぞくぞくというのではなくて、怖いモノ見たさのぞくぞく。


落ち着いた口調や文体がかえってそのぞくぞく感を増す。


女は生まれもって、したたかな部分を多かれ少なかれ持っているよな、と改めて思う。




この本に会えて良かった!! 2007-12-08
「蝶々の纏足」は、主人公の気持ちになって読みました。女同士って子供の頃から複雑なんです。いつも周りから可愛がられる子ばかりが得をして、地味で目立たない子はどこか居心地が悪くなる。わたしもある友人に纏足をされて苦しんでいました。常にどうして?という疑問を抱きながら心に膿を溜めてきた。でもその苦しみを解きほぐして貰った気がします。最後は少し切ない終わり方ですが、こういう所が山田詠美だなって感じ。
「風葬の教室」は、いじめを取り上げている話で、こちらも最高。
一般的にありがちな、いじめはやめましょう的な展開はなく、主人公が家族や自分を愛する気持ちを忘れずに生きていくことでだんだん問題は解決していきます。置かれた状況に絶望しながらも常に冷静さを見失うことなく強くなっていく様は美しいです。他の男子よりも大人びていて、物静かなアツヒコの存在も好感が持てました。何回も読んでると、表現の細かさに驚かされる。一度じゃなく何回も読んでみて欲しい。

主人公やその家族を嫌う人もいるかもしれないけれど、わたしは彼女達の人生の生き方ってすきだなぁ。


おとな(←どういう字を書く?)のやり方 2007-07-13
「風葬の教室」は以前読んだことがあったが、「蝶々の纏足」は今回初めて読んだ。どちらも性を絡めた少女の成長を描いている作品だが、改めて、山田詠美はそのような話を書くのが巧い。巧すぎる。あまりにも視線が鋭敏なため、通常ではただ通り過ごして気づき逃してしまうような“心情の火花”を事実のままに描くのである。

「蝶々の纏足」は、あらかた予想していたストーリー展開だったが、ヒロイン・瞳美が自分を束縛し利用するえり子を“性”によって突き放したのは読んでいて快感を覚えた(決して明るい話ではないのに)。賢明な、大人のやり方だと思った。性に関することは誰にも抗えないものであり、同性を敵に回すものでもあるのだから。

「風葬の教室」。これは結末がどうなるのか、こわごわしながらも気になって急かされるように読んだものだった。いじめの過程も壮絶なものだったが、やはりラストが衝撃的である。群れに紛れることをしない孤高の少女は、いじめた者たちを心の中で殺した。…考えてみてほしい。実際に殺されるよりも、もっと悲惨だ。彼らにとってこれほど空しく、惨めなこともないだろう。本当の「大人」は、こういったやり方で恨みを形にするのだ。死はこの世で唯一の永遠の事象だ。少女をいじめた者たちは、永遠に、生きていながら、ひとりの人間の中では死んでいるのである。


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トラッシュ (文春文庫) |山田 詠美

トラッシュ (文春文庫)トラッシュ (文春文庫)
山田 詠美
文藝春秋 刊
発売日 1994-02
オススメ度:★★★★★




宮本輝のあとがきもGOOD! 2006-03-25
山田詠美は恋愛小説を多く書く。

そして、その恋愛をひとつの媒体として人と人とのあり方をあぶりだしていくのが彼女の手法だ。

何を当たり前のことを、と思うなかれ。

そのことに留意することなく書かれた恋愛小説のなんと多いことか!

最近の彼女の作品にはあまりピンと来るものがないのだが、これは彼女の頂点に位置してるのではないだろうか。

基本的には山田詠美は短編作家のような気がする。

どの短編もイキイキと書かれていて魅力的だ。

けれど、この「トラッシュ」という最初の長編小説はとんでもない高水準で、これ1冊で日本の文学史に足跡を残したといっても言い過ぎではない様に思う。

よく失恋が人を一段成長させるというようなことが言われるが、同じ文脈でこの小説を読むと何かが変わる、そんな魅力に充ちた物語だ。

すごくよかったです。 2004-07-04
ココの心の繊細な機微が、疑問一つなくすうっと溶け込むように理解できました。
彼女は本当に優しくて、でもちゃあんとエゴは持ってて、でもそのエゴはとてもキレイで。恋を大切にして他人も自分もきちんと愛していて、素敵です。
ジェシーの背骨と一緒に読んだので、ジェシーとココの関係の改善される様子やジェシーの成長ぷりがとても眩しくて、嬉しい気持ちになれます。
山田詠美さんの本はどれも好きだけど、この本は本当一生モノです☆

一つの長い恋が終わったときに 2003-12-14
私自身、この本は自分の恋の終わりについてもっともやさしく
諭してくれた本でした。
人と別れるということ、これまでこの人がいないと生きていけないと
思っていた人なのに、「一緒にいたらダメ」とわかっているのに「あの人には
私が必要だ」と自分をだましだまししながら、とうとう修復できない到達点に
達することで破局を知る。
中身が濃密であった恋だからこそ、こんな風に終わりは痛々しく、
だれも傷つかない別れなんかないのかな、って思いました。
だから、傷ついたっていいんだよ、わんわんお風呂の中で大声あげて
泣いたっていいんだよ、ってこの小説は傷ついたことを認めなくなかった
私に教えてくれました。
この本があったからこそ、私は自分の傷を知り、向き合い、それを癒すことが
必要だと自覚させてくれました。
わーん、と声をあげて、夜中のバスルームで泣けたのはこの本のおかげ。
もしも、あなたが一つの関係の終わりを向かえ、疲れ切っているならば、
この小説を読んでみてください。
不思議とやさしくじんわりと「一つの関係が終わるとき、傷つかない者なんて
いないのだ」ということを教えてくれます。
ちなみに、この話、ある短編の続編なのね。。。なんだったか、忘れちゃったけど。。。。。探してみて。


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