魂がふるえるとき―心に残る物語 日本文学秀作選 (文春文庫)文藝春秋 刊
発売日 2004-12
オススメ度:★★★★
強烈である 2009-11-18
本の目次のページで
開高健、武田泰淳、安岡章太郎、堀田善衛、
戦後派の近代文学者の名前がある。
どれもこれも強烈である。
一番書きたい事は書かないものです。
書かずに読者に感じさすのです。
以前ある編集者にこの言葉を聞かされたが、
ここに掲載されている小説は皆、これである。
芸術とは、分野を超えて、
こうでなければならない、と、
見せつけられているようである。
明治〜昭和初期の匂いが色濃く立ち上がる16編 2009-08-10
宮本輝氏が厳選した日本文学短編秀作選。明治〜昭和にかけてのそうそうたる名作家たちの短編が16編収められている。
様々な特色ある作品が読めるので、ある意味お得な1冊。明治〜昭和初期の匂いが色濃く立ち上がる作品ばかり。
ひとつ選ぶとすれば川端康成の『片腕』。奇怪で妖艶な雰囲気に圧倒される短編だ。
「同人(ブログ)作家」必読の書。あなたは魂がふるえるか? 2009-05-09
1 玉、砕ける 開高 健
* 「玉」とは、垢すりでできた垢の玉。
2 太市 水上 勉
* 学校に来られなくなった太市は家で女郎蜘蛛を飼っていた。
3 不意の出来事 吉行淳之介
* 密通がヤクザの情夫にバレて強請られるが……、とんちんかんな顛末。
4 片腕 川端康成
* 女が自分の片腕をはずして男に与える。村上春樹の世界だなこりゃ。
5 蜜柑 永井龍男
* 別れ話をした帰り道、オート三輪車が横転して道路に蜜柑が散乱していた。
6 鶴のいた庭 堀田善衛
* かつて栄華を誇った廻船問屋が、屋敷の庭でつがいの鶴を飼っていた。
7 サアカスの馬 安岡章太郎
* 老いぼれ役立たずと思っていた馬が、サーカスの花形だと知ったときの驚き。
8 人妻 井上 靖
* 自分の子に接する別人のような人妻の横顔を見て、若者からツキ物がおちる。
9 もの喰う女 武田泰淳
* ムシャムシャという感じではなくて、いつのまにかスーッと消えてしまった風。
10 虫のいろいろ 尾崎一雄
* 瓶の中に蜘蛛を閉じこめて半年。センをとった時、間髪を容れず、脱出した。
11 幻談 幸田露伴
* 舟で魚釣りに出て、浮き沈みする釣竿を引き上げると死体が竿を握っていて離さない。
12 ひかげの花 永井荷風
三十代の初めに再読したとき、最後の、塚山に届いたおたみからの手紙で、あの時代に娼婦として生きる女の考え方や、世の処し方に、なんだか呆気なく突き放された気持ちになり、この小説の凄さを知った。(「あとがきにかえて」)
13 有難う 川端康成
* 定期乗合自動車の運転手が避けてくれた大八車など皆に「有難う」と言い続ける。
14 忘れ得ぬ人々 國木田独歩
* 磯を漁つてゐる男、馬子唄をうたう壮漢、琵琶僧らを情景豊かに思い出す。
15 わかれ道 樋口一葉
* 誰からも慕われる仕事屋のお京が、妾となって長屋を出て行くのを止める男。
16 外科室 泉 鏡花
* 手術を受ける伯爵夫人が、うわごとを聞かれたくないから麻酔なしでやれという。
さらに詳しい情報はコチラ≫[0回]
PR