PAY DAY!!! (新潮文庫)
山田 詠美
新潮社 刊
発売日 2005-07
オススメ度:★★★
巧みなアメリカ描写 2009-08-10
アメリカ社会の現実を良く知っているわけではないが,人種,家族,恋愛,飲酒から宝籤までアメリカを感じることができる。9.11については,大げさに取り上げていないところがかえって好感が持てる。
といってもテーマはかなり普遍的な家族,恋愛をたくみに描いている。主人公の2人の双子は高校生だが,大人への成長というよりも,人間味あふれる友人と大人たちに囲まれて感受性を豊かに羽ばたかせる様が素晴らしい。
争いを描いた作品ではなく、それに関わる人を描いた作品 2006-06-27
911から始まる体験を通して、兄妹である2人の少年と少女が 「今、自分たちが生きている意味」を改めて見つめなおす物語。
その2人の葛藤が実に愛らしく、 そして大人さえもはっとさせる真実に満ちている。
自分たちが生きる意味。
そして人を愛する意味。
テロと言う「喪失」を通して、 2人は恐れ、そして今を精一杯生きることの価値を見出す。
山田詠美の感性豊かな描写が読み手に2人の心の葛藤を移し込み、 美しいとも言える内容へと盛り立てている。
争いとは何なのか、ではなく生きるとは何なのかを見つめなおせる作品だと思う。
詠美節全開 2005-11-12
翻訳小説のような雰囲気。でも登場人物がみんな、作者の代弁者になっている。ティーンエイジャーの会話にしては、少し不自然なくらいに…。詠美ファンでない人には、少しきついかもしれない。
そんな中で、アル中のウィリアム伯父さんだけが、独特の個性を発揮している。
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