はじめての文学 山田詠美
山田 詠美
文藝春秋 刊
発売日 2007-09-15
オススメ度:★★★★★
人生を開ける缶切り! 2008-08-18
これまでもずっとAmyは、わたしにとって「恰好良い大人」の 代表格だったのだけれど、この本を拝読してその思いが より一層強くなりました。
学校では教えてくれない、机に向かうのではなく自分の脚で 目で耳で吸収するべきことをAmyの言葉は、文章は 時に優しく、時に力強くわたしに教えてくれました。
それは人生の素晴らしさや恋の美しさ、世の哀しさ等…
収録されている作品は全て拝読したことがあったのですが 10代の頃に読んだきり、という物もあり、懐かしかったです。
中学生の時に読んで、それ以来わたしの宝物になっている 「放課後の音符」から「Crystal Silence」 「ぼくは勉強ができない」から「眠れる分度器」が 選出されているのが、とても嬉しいです。
ひとを好きになることの素晴らしさ、恋の瑞々しさ、 人生で本当に大切なものについて真剣に考えるきっかけを 貰った思い入れのある作品です。
「ひよこの眼」は大人になってから読むと、そこに漂う もの悲しさや切なさ、子供故の無力さ、死の哀しさが ひしひしとリアルに伝わって胸を打たれました。
そして…あとがき「人生を開ける缶切り」は Amyの魅力が凝縮された読者へのお手紙だと思う。
本当に心に響いたし、彼女の恰好良さに痺れました(笑)
文学は非常時の缶切り。とても納得です。
色んなことに迷い悩んでいる10代の子達にこの本を 贈りたいなぁと思います。
きっと素晴らしい教科書になってくれるのではないでしょうか。
はじめての文学シリーズ 2008-03-04
このシリーズは図書館ではヤングコーナーなどに置かれている本です
が大人でも十分に楽しむことができます。
今まで直感、評判で読む本を選んでいた私にとってこのシリーズとの 出会いは価値のあるものになりました。
全12巻を読み、贔屓の作者を見つけることが出来ました。ぜひとも全 12巻、読むことをお勧めします。あなたも贔屓の作者を見つけてみてく ださい。
山田詠美
8点の収録作品のうち3点はとても気に入ったのですが残り5点は自分に は全然合いませんでした。同じ作者の作品は同じレベルで楽しめるだろ うと考えていたのですがそうとも限らないのだということがわかりました。
収録作品は
『海の庭』
『ひよこの眼』
『アニマル・ロジック』
『ME AND MRS.JONES』
『涙腺転換』
『Crystal Silence』
『こぎつねこん』
『眠れる分度器』
の8点です。
3点の気に入った話のうち『ひよこの眼』が一番よかったです。中学3 年生の男女が中心となる話で、悲しい結末の話なのですが後味がすごく よかったです。
感動! 2007-12-20
素晴らしい!
なんともエッチな話だ(というと読みたくなる人が増えるかと思って、書いておく。)
実際は「エッチ」という言葉のニュアンスは違う気がする。
特に「ひよこの眼」という話が気に入った。読む前、軽い青春の恋愛の話だろうという先入観を持って読んだら、全然想像と違った結末に号泣してしまった。
36歳、3人の子持ち主婦になった今、約20年ぶりに山田作品を読んだ。「ああ、これ読んだことある」と思うような話が結構あった。久々に新鮮な気持ちで読めた。
ME AND MRS.JONESとCrystal Sienceという話は昔読んだ。18ぐらいで独身だった頃。
今、読むとすっごく沁みる。心と体に。
20年前にはわからなかった恋愛感情の色々なことなんかが分かる。
なんだかせつなくてジンジンする。
これは、「はじめての文学」というだけあって、子供対象になっているようだが、5、6年の子を持つ親としてはまだ読ませたくない箇所もある。
ただし、あとがきが好きだ。すごく。
山田詠美の書く、外人の話より日本人の話がなんだか好き。
後、時々、とってもおちゃらけた話なんかも書くけど(エッセーも含め)それも好き。
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