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山田詠美の小説は官能的な心理描写や身体器官の描写が本当に秀逸です。快楽に肯定的に生きるエネルギッシュな人を描くポンちゃんの作品を紹介しています。
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トラッシュ (文春文庫) |山田 詠美

トラッシュ (文春文庫)トラッシュ (文春文庫)
山田 詠美
文藝春秋 刊
発売日 1994-02
オススメ度:★★★★★




宮本輝のあとがきもGOOD! 2006-03-25
山田詠美は恋愛小説を多く書く。

そして、その恋愛をひとつの媒体として人と人とのあり方をあぶりだしていくのが彼女の手法だ。

何を当たり前のことを、と思うなかれ。

そのことに留意することなく書かれた恋愛小説のなんと多いことか!

最近の彼女の作品にはあまりピンと来るものがないのだが、これは彼女の頂点に位置してるのではないだろうか。

基本的には山田詠美は短編作家のような気がする。

どの短編もイキイキと書かれていて魅力的だ。

けれど、この「トラッシュ」という最初の長編小説はとんでもない高水準で、これ1冊で日本の文学史に足跡を残したといっても言い過ぎではない様に思う。

よく失恋が人を一段成長させるというようなことが言われるが、同じ文脈でこの小説を読むと何かが変わる、そんな魅力に充ちた物語だ。

すごくよかったです。 2004-07-04
ココの心の繊細な機微が、疑問一つなくすうっと溶け込むように理解できました。
彼女は本当に優しくて、でもちゃあんとエゴは持ってて、でもそのエゴはとてもキレイで。恋を大切にして他人も自分もきちんと愛していて、素敵です。
ジェシーの背骨と一緒に読んだので、ジェシーとココの関係の改善される様子やジェシーの成長ぷりがとても眩しくて、嬉しい気持ちになれます。
山田詠美さんの本はどれも好きだけど、この本は本当一生モノです☆

一つの長い恋が終わったときに 2003-12-14
私自身、この本は自分の恋の終わりについてもっともやさしく
諭してくれた本でした。
人と別れるということ、これまでこの人がいないと生きていけないと
思っていた人なのに、「一緒にいたらダメ」とわかっているのに「あの人には
私が必要だ」と自分をだましだまししながら、とうとう修復できない到達点に
達することで破局を知る。
中身が濃密であった恋だからこそ、こんな風に終わりは痛々しく、
だれも傷つかない別れなんかないのかな、って思いました。
だから、傷ついたっていいんだよ、わんわんお風呂の中で大声あげて
泣いたっていいんだよ、ってこの小説は傷ついたことを認めなくなかった
私に教えてくれました。
この本があったからこそ、私は自分の傷を知り、向き合い、それを癒すことが
必要だと自覚させてくれました。
わーん、と声をあげて、夜中のバスルームで泣けたのはこの本のおかげ。
もしも、あなたが一つの関係の終わりを向かえ、疲れ切っているならば、
この小説を読んでみてください。
不思議とやさしくじんわりと「一つの関係が終わるとき、傷つかない者なんて
いないのだ」ということを教えてくれます。
ちなみに、この話、ある短編の続編なのね。。。なんだったか、忘れちゃったけど。。。。。探してみて。


さらに詳しい情報はコチラ≫


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色彩の息子 (新潮文庫) |山田 詠美

色彩の息子 (新潮文庫)色彩の息子 (新潮文庫)
山田 詠美
新潮社 刊
発売日 1994-05
オススメ度:★★★★




人の多面性を、色彩で表した秀逸な短編集です。 2009-10-06
妄想、孤独、虚栄、倒錯、愛憎、嫉妬、再生……。金赤青紫白緑橙黄灰茶黒銀に偏光しながら、心のカンヴァスを妖しく彩る12色の短編タペストリーです。

12編全てを挙げて感想を述べたいのですが、ここでは三つに絞ります。


特に印象に残ったのは、第五編白色の「病室の皮」です。善良さを装って病んでいった自分が、かつて住んでいた病室の壁の色を描いています。

誰でも自分を語るときには、装ってしまうものだと思います。そして、人付き合いの上手いと言われる人ほど装いが多いそうです。

ですが、装っている自分を病んでいると認識した、心の変化が痛ましくリアリティーを以て心に染みる一遍でした。


また第九編灰色の「雲の出産」他人の優越感をくすぐってしまうとし子の色を描いた一遍も印象的でした。

キャラクター設定は逆ですが「蝶々の纏足・風葬の教室」新潮文庫1997/03/01に収録された表題作「風葬の教室」を逆の立場から見たような一遍です。

短編ながら複数の登場人物の描写が密で、華やかな印象を受けました。


白眉は第十編茶色の「埋葬のしあげ」です。自分を埋葬する土の色を描いています。

劣等感を意識し、身近なものとの比較の中で生きてきた自分と決別する大人への変化が気持ちよい一遍です。


小説は、登場人物を典型、類型として描く単純な描写が気軽に読めて、わかりやすいですが、

この短編集は、人の多面性をその変化する瞬間を捕らえ、色で表すことによって、描いている内容の複雑さを超えて心に届いたように感じました。

短編集の新たな可能性を示した秀逸な作品であると感じました。

色彩 2008-03-12
残酷なのに、文章はくらくらする程美しい、山田詠美さんの傑作短篇集です。
「心の動きを言葉にしたらこのようになる」作者の頭には、そんなタイトルの標本があり、言葉のピンを抜いて羽ばたかせているのか、と本気で思いました。
鮮やかな色彩が、読む人を包み込みます。


色彩を通して 2006-06-07
まず、装丁がよい。

話によってぴったりの色紙を、短編と短編の間にはさみこんでいるのが粋である(ハードカバーでも、文庫本でも)。

そういうふうにしているだけで、本の世界が頭の中だけではなくて、実際に視覚から色を通して広がっていくから不思議だ。色紙があるとないとでは、話の読後感や印象に大きな差が出てくるのではないだろうか。


そして、話の質がよい。

山田さんは、ことばにできないとても微妙なこころのひだの動きを、誇張しすぎず的確に、描写している。時にそれは読者の心を言い当てすぎて、なんだか「痛い」共感を呼ぶ。私には灰色の章「雲の出産」がそれであった。この短編には、外見やふるまい、内面さえも愚鈍な人間を前にして、人がどれだけ残酷になり、優越感を感じていい気になれるかということがとても分かりやすく描かれている。私は自分のことを言われているようで、おろおろしてしまった・・・。


どこにでもある人の心の、ちょっとした動きを、よくここまで繊細に忠実に再現できるものだ、と感嘆する。汚い感情でさえも、色になぞらえうつくしい作品のように感じる、傑作です。


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ぼくは勉強ができない (新潮文庫) |山田 詠美

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)ぼくは勉強ができない (新潮文庫)
山田 詠美
新潮社 刊
発売日 1996-02
オススメ度:★★★★




本当にそうなのか!? 2010-01-07
筆者は、勉強ができる生徒よりも、

女子に人気がある生徒のほうがよしと

している。


それは一つの考え方であるが、勉学に励んでいるもの

を小ばかにすることには賛成できかねる。


ただ、ストーリー自体はおもしろく、読みやすかった。

高校生活を回想することができ、いい契機となった本である。

主人公の時田秀美がドタバタする短編小説 2009-11-09
主人公の時田秀美がドタバタする短編小説である。主人公はどちらかというとませた少年という感じがする。女性関係であり学校について、親や祖父や学校の先生と級友や愛人の桃子といろいろとぶつかりながらも成長しているとは言える。好きな短編は「○をつけよ」と「番外編・眠れる分度器」ですね。


良くても悪くてもレッテルを貼りたがる。人が人を無責任な立場で裁くことはしてはならない。人と同じ部分であり違う部分をきちんと認められるようにする。勉強が出来ることそのものが大事なのではない。学校の先生に教わらなくても、教わる題材はそこらじゅうにたくさんある。


著者の言おうとしていくことはすごくわかる。しかし、何か違和感がある。理屈は納得いくが、語られ方というのかなそういうものに違和感を感じる。好き嫌いが分かれるような気がするなあ。私は、そんなに好きではない。



簡単にヴィジュアル化できそうな感じ・・・ 2009-11-09
この作品はきっとドラマでも映画でも表現可能で楽しめそうそうだと思います。

主人公秀美とその家族がとてもイキイキと輝いていました。

個性だとか価値観だとかのあり方、

まるで人々が言いたいけど心の奥に閉まっている事を

代筆してくれてるような気がしました。

途中で何度かウトウトして読むのに思ったより時間がかかりましたが

読み終えてよかったです。


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