エイミー・セッズ山田 詠美
新潮社 刊
発売日 1999-08
オススメ度:★★★★
視覚と触感まで楽しめる「エイミー・セッズ」 2005-04-17
東京駅から我が家まで新幹線で3時間。「何読もうかな〜」と手にしたのがこの「エイミー・セッズ」と「エイミー・ショウズ」だった。エッセイが好きで、楽しい装丁、そして山田詠美。わー決まり!この選択は今でも間違っていないと思っている。後ろにちょろんとエイミーが肘つけて私を見てる。黒・赤・黄色、そしてビニールカバーの下にはグリーンがちょろんと覗いている。私はこの色遣いと本を手にした時の触感を十分楽しみながら新幹線タイムを楽しみました。
一番最初の「アイダに似てる」が一番好きです。「酒のあやまちなんてもんはない」「故森瑶子氏のこと」など、装丁と同じくらい中身もずっしり。私は軽い本が好きなので、文庫版が出ると買いなおす性質だけど、この二つだけはハードカバーの方が好きだし、お勧めします。触ってみて。
想像力を働かせて生きよう 2003-06-13
作家の山田詠美(エイミー)が、何に幸せを感じ何に怒りを感じるかを、醒めた文章でつづったエッセイ集。『AMY SHOWS』と対になって発売されていて、そちらは旅行記と読書録がメインになっている。装丁がペイパーバッグ風になっていて、それも素敵。
エイミーは、黒人の夫と米軍のコミュニティーの中で暮らしている。エイミーは、お酒やタバコや夜遊びが大好きだと、公言してはばからない女性だ。自然と彼女は、人種や性別の違いによる偏見や差別に絶えずさらされてきた。そんな日常を彼女はどんな言葉で吐き出すのか。
新潮45に93年から95年に渡って掲載されていたエッセイが、特に良い。
偏見や差別のない物の見方とはどのようなものか、具体的に教えてくれた。差別や偏見はきっと誰の心にも潜んでいて、あらゆる差別を根絶しましょう、なんて言ったって、それはきれい事でしかない。どんなに悪気はなくたって、自分の?「うかつ」な一言が傷を負わせてしまったりすることがあるかもしれない。でも事が起こった後で、あなたを傷つけるなんて考えたこともなかった、なんていう言い訳は通用しない。大切な誰かをたった一言で失うことのないように、私たちは、時に自分を疑ってみる必要がある。
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