メイク・ミー・シック (集英社文庫)山田 詠美
集英社 刊
発売日 1994-01
オススメ度:★★★★
Stylish Amy 2008-04-03
これほどまでに色褪せず、スタイリッシュなエッセイを私は知らない。初めて読んだのは中学生の頃だったか。妹と共有して読み、ふたりしてそのカッコよさに痺れていたものである。
この作家は、大人の恋の始め方を知っている。頽廃の美しさを知っている。無意識ということの中に宿る魅力を知っている。原始的であることが、いかに素敵かを知っている。快い感傷というものを知っている。本当の恥とはなんなのかを知っている。
元来、本能と、行動時における少しの礼節を持っていれば自ずとわかりそうなことなのに、それらを忘れてしまって、無粋に生きている人間のなんと多いことか(私もそうだったりする)。本書は、そういった人間元来の“粋”な部分をもう一度思い起こさせてくれる名エッセイである。
《何が格好良くて、何が格好悪いのかを、相対的にではなく絶対的な価値観で見極めなさいってことなのだ。》
この一文には、心底、快哉を叫んでしまった。初めて読んだ時もこの言葉を自分の信条のひとつとしていたが、今、改めて読み返してみて、これからもこの言葉を携えて生きていこうと思った。
ちなみに、この文庫版のみ収録の辻仁成氏の解説だが、中学生の頃、私と妹は「『アップルティーは冷めていた』…こりゃ解説じゃないわ」と言って笑っていたが、それでもこの解説を愛着をもって読んでいたものである。あれから十年以上経った今読み返すと、この『メイク・ミー・シック』にはこれ以上ないほどのスタイリッシュな名解説となっているのがわかる。
バブル時代に若かった人へ 2004-08-05
僕は男だけど、10数年前にこの本を読んだ時、なんかすごい感動した覚えがある。でも、今読むとバカだと思う。時代の違いでもあるのかな。
かっこいい。 2004-06-07
山田詠美さんの本は何冊も持っているのですが、小説だけではなくエッセーで山田さんのことをもっと知りたいと思っていました。
だからと言ってすべてを理解することができるわけではないのですが、考え方などがわかりました。
10年近く前に書かれたものなので、流行りなど多少現在と合わないところはありますが、それでも同感できるところは沢山あります。
やっぱり山田詠美さんはかっこいい!
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