Amy Says(エイミー・セッズ) (新潮文庫)山田 詠美
新潮社 刊
発売日 2002-03
オススメ度:★★★★
微妙… 2008-06-02
納得できる部分と、腑に落ちない部分が半々だった。
他人に屈辱を与えたり、理不尽な恥をかかせる無神経な人々には、私もどうしようもない苛立ちと不愉快な感情を覚える。デリカシーが消失してしまった人間は、そのふてぶてしさで無意識に醜態を晒すからだ。しかもそういう人々は、その恥のタチの悪さに気づいていないのだから手に負えない。それが神経のかよっていない人種なのだからことさらである。理性がない。脳味噌筋肉状態という感じだ。
ただ、内容によっては、著者の価値観で物事をジャッジしていると思わざるを得ない部分もしばしば見受けられ、勝手なこと言ってんなー、と思ったのも事実。著者の価値観が洗練されたものであることは感じるが、それを書いた後に、その価値観に合わないこと(人)を罵るような言葉を並べるのはいかがなものだろうか(言葉遣いそのものの次元の話ではなくて)。否定することは大いに結構だが、罵るのはやめて頂きたい。自分の美意識だけを書いて、それで読者を圧倒させるのが作家らしいやり方だと思う(こんなこと言うと、「これが私のスタイルだから」とか言われそうだが)。
痛快 2003-12-18
Amyの著書の中でも、この作品は特に痛快だった。
嫌な物は嫌と、はっきり言ってしまう潔さ。
そしてそれを裏付けるAmyの価値観にとても共感した。
電車の中であるにも関わらず、思わずうなずいてしまったり、何度もにやりとしてしまったりした。
私に”自意識過剰”との上手な付き合い方を教えてくれたのは、間違いなくAmyの本だったと思う。(笑)
Amyの著書は、これからも私の道しるべであり続けるだろう。
彼女の根っこにあるもの 2003-09-14
この本の中に出てくる差別・偏見は私達の周りにもあふれている。
たとえば、私達の身の回りでも、国籍や家族構成で全てひとくくりにしてしまう思い込みが日常どれほど多い事か。その思い込みによる厚顔無恥な言動により、どうしようもなく傷つく人がいる。
けれどたとえば善意(?)にくるまれた差別には声をあげる人は少ない。おかしいと思いつつもそれは曖昧にされてしまう。
でも、山田詠美は、差別を明確に指摘して、怒り、立ち向かう。
差別に屈しない彼女の姿がとても素敵で、共感させられた。
彼女の小説の根っこにあるものがとてもわかりやすく書かれた本です。
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